生活支援学科 子ども支援学専攻

子どもや子育てを支援するプロフェッショナルに

本専攻では、子どもに関わる今日的な問題について、広く、深く学びます。たとえば、児童虐待や子どもの貧困の問題などについて、どのように子どもが幸せに育つ方向性を見出すことができるのか、子育て家庭が子育てを担う力を獲得できるのか、そして子ども支援・子育て支援とはなにかについて社会的な背景を含めて学びます。

学問の魅力

子どもに関わる課題を解決する能力をはぐくむ

本専攻では、幼稚園教諭一種免許、保育士資格を取得できるカリキュラムを組み、幼児教育、保育、そして福祉の領域に及ぶ学習を展開しています。幼児教育、子育て家族や地域への支援、子どものソーシャルワーカーとしてのあり方、多文化共生を学ぶための実践的な科目やICT教育についての学びも深めると同時に、アクティブラーニング等の参加・問題解決型授業を通じて確かな専門知識・能力を養います。

学び方

充実した科目群と系統化された学びのシステム

子どもに関する基礎学力と教養を養う科目、幼稚園教諭免許および保育士の取得関連科目、子ども支援・保護者支援に関する科目が、各年次に系統的に配置されています。資格取得のための学外実習は、事前・事後指導を徹底しているほか、幼児教育や保育、子ども家庭ソーシャルワークなど、専門性の高い知識・技術に加えて、多文化共生保育・教育など、地域社会の課題を解決できる力が育成されるよう配慮されています。また、本専攻では保育実習室や音楽実習室などの教室が完備されています。ピアノの個人練習室では、保育所や幼稚園で求められる弾き歌いの技術の向上に向けて、個人で練習を行うことができます。授業でのマンツーマンレッスンや自主練習により、入学時にはピアノ初心者だった学生も、子どもと一緒に音楽を楽しむための基礎的技能を身につけていきます。また、地域子育て支援プログラムを通じて子育て家庭との交流の場をもつことで、理論と実践を結びつけて学ぶことができます。

4年間の学び

子ども支援学専攻では、子どもに関するさまざまな課題を主体的に学び、問題解決能力の育成を図ります。

1年次から4年次までゼミナールを配置し、子どもや子育て家庭に関わる今日的課題について自ら考え、発表、共有します。語学や海外研修等の科目では、多文化共生の視点をもち、地域社会の課題をとらえ、支援ができるような学びが可能です。パソコンを活用した授業により、近年の情報技術を保育や幼児教育にも活かす技術を学びます。また、社会デザイン学部の科目を履修することによって、レクリエーション、子どもの健康管理、遊具や環境など、子どもや家庭に関する多種多様な知識を学ぶこともできます。

卒業論文のテーマ例

  • 音楽による幼児の創造的な身体表現とその援助について
  • 移行対象を用いた母子関係の支援について-ぬいぐるみを通した発達と愛着関係-
  • 保育室の物的環境に関する考察-年齢別に見た特徴の抽出を通して-
  • コモンセンス・ペアレンティングを用いた地域子育て支援に関する一考察
  • 気になる子の保護者への対応-二次障害・三次障害につながる前に-
  • 子ども食堂の現状とその役割に関する研究

学びの取り組み

実習教育を生かした学びのサイクル

子ども支援学専攻では、幼稚園教諭免許と保育士国家資格の取得が可能です。それぞれで実習があり、学生たちは講義で学んだ知識や演習で身につけた技術を、大学の教員と現場の職員からの指導やサポートを受けながら、実際に現場で実践します。 大学 2 年次の終わりには、乳児院や児童養護施設等で行う初めての実習があり、3 年次の保育所実習と幼稚園実習、そして4年次では総まとめとしての保育所または乳児院や児童養護施設等での実習をへて経験を積んでいきます。本専攻では、実習で達成できたことや失敗してしまったことを自己評価し、次の実習への課題として繋げていくことを重視しており、この積み重ねを通じて専門家としての成長を支えます。

多文化共生社会を実現する力を持った人材養成

多様な背景をもつ人々がともに暮らす社会になりつつあるなか、多文化保育・教育を行う人材を養成します。昨年は、2年次ゼミナール(子ども支援学演習ⅡB)でブラインドサッカー日本代表選手を招聘し、障がい理解に関わる体験学習を実施し、「普通」とは何かを考えました。学内のオリンピックパラリンピック特別研究助成を獲得し、「幼少期の障がい理解教育教材」を開発し、幼児教育・保育機関への無償提供と、授業での実践を行いました。また、全ての学生が必修科目「多文化保育・教育」を履修し、多様な言語や文化を尊重し、一人一人の子どものウェル・ビーングを保障するための知識、技術、心的態度を身につけることをめざします。取り組みとして、学生たちが協力して「東洋大学版多文化共生保育・教育資料集」を作成しているほか、「特別支援教育・保育」「子どもソーシャルワーク」「保育内容総論」などの科目を通じて、インクルーシブな社会の実現を推進できる人材育成をめざしています。

保育・福祉におけるICT活用とその養成

幼児教育・保育・福祉の質の向上や業務の効率化のための取り組みとして、ICTの活用が急速に進んできています。職員間での情報共有、アセスメントのための情報収集・発信等のカリキュラム・マネジメントにもICTが積極的に活用され始めています。本専攻でも、学生達が将来、保育・福祉の質向上のためのICT活用の推進役になることができるよう、幼児教育・保育・福祉分野でのICT活用に関する研究や実践に取り組んでいます。授業では、Google社の情報端末Chromebookやクラウドでの情報共有によって、学生達がお互いの学びに関心を持ち合い、対話をするなど、ICTによる新たな学びのスタイルを築くための取り組みを進めています。

「子育てひろば」の取り組み

授業科目「子育て支援実践」「多文化共生保育教育実践」では、履修学生とボランティア学生、教員、そして地域 の子育て支援従事者の方々とともに子育て支援プログラムを運営しています。今、保育の現場では、保育園に通ってくる子どもの保護者に対する支援とともに、地域の親子に対する支援が求められています。大学の施設を活用し、学生が計画する遊びを中心に、家庭で接することの少ない遊具で遊んだり、他の親子や地域の子育て支援員さん、教員や学生とおしゃべりしたりする中で、悩みを共有したりリフレッシュしたりできる場づくりを目指しています。直接家族と触れ合う活動を通して、学生は子どもの生活や保護者の想い。悩みに触れ、子育て支援の重要性を学びます。

様々な社会貢献

人形劇の上演を通した交流活動

子ども支援学専攻高橋健介ゼミでは、親子や仲間と一緒に面白さを味わい、豊かな感性や想像力が養われるようにと、人形劇の上演活動をおこなっています。2019年は1月に文京区の幼稚園、朝霞市の保育所で人形劇「こぐまくん、ないしょだよ」(原作:ふくだじゅんこ)、3月には仙台市の認定こども園や保育所で人形劇「ゴリラのパンやさん」(原作:白井三香子)を上演しました。
子ども達は、学生達の手づくり人形によってくり広げられる物語に、笑いあったり、ハラハラドキドキしたり、そして人形達のがんばりに共感しながらその世界を楽しんでいました。人形劇の後には、毎回人形に触れる機会もあり、子ども達の笑顔があふれています。学生達にとっても、子ども達が喜ぶ姿に達成感を感じるとともに、実際に子どもや大人の前でその反応に合わせて演じることで、実践力を育んでいます。

小学生の放課後居場所づくり「きゃんぱす」活動

「きゃんぱす」とは、大学近隣の小学校に通う4~6年生を対象に行う放課後の居場所づくりの活動で、大学の施設を利用して、子どもたちの学習支援・遊び支援・相談支援を行っています。活動内容の企画、準備、当日の運営は、すべて学生が担当しています。保育士・幼稚園教諭等の資格取得を目指す子ども支援学専攻の学生の他、中高教員免許や社会福祉士の資格取得を目指す他学科専攻の学生も多く参加し、学科専攻を超えた学生同士のつながりがうまれる場ともなっています。学生は、子どもの宿題を見たり、一緒に遊んだりするなかで、子どもたちのさまざまな「つぶやき」に耳を傾け、子どもたちの思いや直面する課題に向き合い、子どもへの寄り添い方を学びます。また、子どもの送迎時の保護者とのかかわりを通じて、保護者支援のあり方についても学んでいきます。子どもを「支援される対象」としてだけでなく、子どもも活動を作り上げていく「主体」としてとらえ、子どもたちの思いや希望を尊重し、子どもとともに活動をつくりあげていく態度を身につけていきます。